スタッフからのお話です。

2012年12月21日と22日に福島の相馬高校生徒による演劇「今伝えたいこと(仮)」DVD上映会を行いました。当日は福島県立相馬高校放送局の顧問の先生である渡部義弘教諭にも沖縄に来ていただき、DVD上演だけではなく、観客と双方向のコミュニケーションを行いました。
「今伝えたいこと(仮)」では福島で津波や福島第一原発事故に遭遇した高校生からの等身大のメッセージが伝えられました。震災での被害が各生徒で違うことから、友達にさえその苦しみを伝えられないでいる高校生や、原発事故の放射性物質からのいわれのない差別が高校生を襲っている現状がストレートなセリフで表現されており、観客の心にストレートに福島で惨事が響いてくるものでした。
観客の中には、福島からの避難してきた人たちもおり、他の観客とのコミュニケーションも活発に行われました。特に福島から避難してきて、福島で負った苦しみ、そして現在も抱えている迷いをストレート表現できないでいる状況があることを、目の当たりにして私自身も事の複雑さをあたらめて認識せざるをえない場面もありました。

福島からみえた渡部先生は沖縄の痛みを見たいということで、上映の合間に「ひめゆりの塔」「普天間基地」「アブラチガマ」を見学していました。以前津波の被害を受けた岩手県からお客さんが来た時も、やはり沖縄の歴史を学んでいました。

震災で負った痛みは、「沖縄の痛み」に共鳴しているのだろうと感じられます。自分の痛みが人の痛みに共鳴する。沖縄からも彼らの痛みに共鳴していけることができるのか。それが沖縄の問題を解決する糸口になるのかと考えさせられました。

今俯瞰.jpg
今先生.jpg
渡部義弘教諭の熱い語り
今議論.jpg
各席からも多くの意見や視点の提供がありました。