十人十色、蓼食う虫も好き好きという諺があるように人間社会には色んな人が生きてます、ひしめいてます。そして、一人ひとりの個性の集まりが集団の雰囲気を決めるのです。
「いい国ってどんな国だろう?」という質問にある人は答えました、「そりゃあ決まってるさ、楽しい場所がたくさんある国だろうさ」と。別の人はこう答えました、「それもそうかもしれないけれどやっぱり住みやすい場所がたくさんある国だと思う」と。三人目の人の答えはこうでした「やっぱりさ、ほっとできる場所がたくさんある方がいいよ」。楽しい場所、住みよい場所、ほっとできる場所。確かにどれもいいですね。でもそれって、国というより、いい地域とかいいコミュニティとかいいグループっていう話ではないでしょうか。大きな単位じゃなくてもっと小さな単位の集合体。
そして、もっといえば、いい地域とかいいコミュニティとかいいグループも結局は一人ひとりの個人がどんな人かに左右されるのです。つまり地域をつくる主人公はあなたとか私あとか一人ひとりの個人だっていうことです。 それからいい場所というのも例えばカフェで考えてみれば、いいテーブルとか、いいソファとか、いい照明とか、いい食器とか、いいBGMとか、いい壁の色とか、そういう一つひとつのパーツに分解されていくのです。つまりはいいカフェの主人公は一つひとつ家具や食器だったりするのです。
いいものっていうのはいいものを構成する一つひとつがいいものだってことなんです。それから、一つひとつが多種多様なほうがもっといい。多種多様な生物がお互いに関係を持ちながら存在することでこの地球上のあらゆる生物が存在できているそうです。自然環境は北と南では大違い。標高の高い山と標高の低い平野部とでも環境は違ってきます。環境が異なれば異なるだけ多種多様な生物がいて、それぞれの環境に適応して生きているたくさんの生物たちがそれぞれの役割を果たしながら微妙なバランスを保つことで全体が存在できているのだそうです。このことは人間の社会にもそのまま当てはまります。
地域の魅力をつくるのは他でもなく、そこに住む一人ひとりの個性。そして、その人その人にしか果たせない役割が地域を支えているのです。当たり前のことかもしれないこのことを出発点にして、なんじょう地域デザインセンターは主人公である一人ひとりのあなたや私と一緒になってこの街を豊かにしていきたいと思っています。