私たちが暮らす南城市は決して大きくははありませんが、一つひとつがかけがえのない人の暮らしがたくさん集まってできています。同じように私たちが生きているこの世界も南城市のような小さな地域がたくさん集まってできています。人間の体が一つひとつの細胞の集まりで成り立っているように、一つひとつの地域が集まって、はじめて世界は世界でいれるのです。ここで何を言いたいかというと、南城市は世界を構成する主役の一つであるということです。
ところでみなさんはThink globally Act locally. という言葉をご存知ですか。物事を考えたり判断したりするときには大きな視点に立ってのぞむのがよく、何か行動を起こすときには足元を踏み固めるように一歩ずつ動いたほうがよい。人によって自由に意味を取ることができる便利な言葉です。
世界に向かうのに同じように役に立つもう一つの言葉があります。それは生きものの視点を借りて言い表した言葉です。「鳥の目、虫の目、魚の目」。青空のはるか高みから地表を眺める鳥のように、広い視野で全体像を大きくつかむ。大地や木肌を這う虫のように、小さな点を思いっきりクローズアップする。川の流れに身を任せるす魚のように移り変わる状況を身をもって体感する。
そういうふうにあるときは大きく、あるときは小さく、そしてあるときは時間の流れの中から社会を眺めると今までぼんやりしていたものがハッキリくっきりと見えるようになるものです。どうせ世界を眺めるのならクリアに見えた方がいいですよね。同じものを見るにしても見方によって見え方が変わってきます。そういうことを言いたいのです。
再び視点をこの場所に移してみましょう。今私たちは南城市にいます。南城市にいながらテレビをつければ世界が見える。パソコンでインターネットに接続すればもっと世界とつながれます、とても便利な世の中に私たちは暮らしているのです。でもどうでしょう。広い世界、大きな世界に目がいってませんか。朝日が昇るその瞬間を見逃してはいませんか?道ばたの綺麗な花が開くのを見落としてはいませんか?隣の隣に住むおばぁがとっても美味しいお菓子を作れることを知ってますか?道路を挟んだ向こう側の集落に住むおじさんが実は甲子園で活躍した選手だったことを知ってますか?
身近な場所に身時かな人に実はたくさんのワクワクがあることを私たちは見逃してることが多いのです。一つひとつはちっぽけかもしれないですが実はテレビの話題に負けないくらいワクワクするものが身の回りに隠れているかもしれないのです。
グローバルとローカル。外に広がる大きな世界と中に広がる小さな世界。二つの世界をいつでも自由に行き来できれば、たぶん地域はもっと豊かになるでしょう。そして、ここに住む一人ひとりの人生も。